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公正取引委員会

ソフトウェア「Barcode Express」と組み合わせた『図書管理システム』。
利用者が各自バーコードリーダーで貸出処理を行い、データベースに登録されます。その情報を元に、ブラウザでの貸出状況の確認やメールでの返却案内を送付するなど、省力化と利便性を実現しました。

導入経緯について

kousei1国立国会図書館支部公正取引委員会図書館では書誌情報管理のみを行っていたところ、国立国会図書館の電子化方針により、書誌情報等の事務総局内等への公開の推進が課題となっていました。
書誌情報の公開を行うためのソフトには、市販の蔵書管理ソフトも多数存在するものの、その導入には多大の導入経費と運用経費を要するものが多く、予算上の制約から簡易なシステムでの実現が求められていました。

開発ポイント

  1. 利用者側でのキータイプをなくし、操作の簡略化と操作のしやすさを確保する。
  2. 開発コスト・運用コストを抑える。

バーコードを使って職員(利用者)自ら貸出処理を行い、また、ブラウザ等で貸出状況が確認出来るなど、機能の充実も合わせて検討たところ、業務で使用しWeb公開機能も併せもったファイルメーカーProとバーコードリーダーを使ったシステム構築の導入が検討されました。

バーコードリーダーとBarcode Express
ファイルメーカーProとバーコードリーダーを使用する方向は決定したものの、実際のシステム構成や運用などについては決まっておらず、弊社にご相談いただた際、シリアルインターフェースのバーコードリーダーとアプリケーション「Barcode Express」の利用を提案いたしました。
バーコードリーダーには接続や通信方法によって種類があります。今回の開発ポイントである”バーコードリーダーからの高度な制御”(バーコードを読み取る前に新しいレコードを追加し、さらに所定のフィールドにカーソルを挿入するなど)が可能なのは、シリアルインターフェースのバーコードリーダー(バーコードリーダー種類の説明は「バーコードリーダーの違い」をご参照ください)なので、その制御とファイルメーカーProとの連携が「Barcode Express」を導入するだけで解決されるのです。
「Barcode Express」を使うと、バーコードを読み取ると同時に新しいレコードを追加し、任意のフィールドに自動にデータを格納することが出来ます。さらに、スクリプトを起動することも可能なため、その応用範囲は非常に高く、フレキシビリティーのある処理が行えます。

kousei2「Barcode Express」の導入によって、バーコードを使って職員(利用者)各自が貸出処理を行い、ファイルメーカーProで情報を管理・Web公開機能を使用することでブラウザ等で貸出状況の確認が可能となります。また、汎用ソフトを活用することで、開発コスト・運用コストも抑えることが可能です。これらを総合的に判断頂き、また唯一弊社のみが有している技術ということに高い評価をいただき、「Barcode Express」の導入と、ファイルメーカーによる図書管理システム開発を随意契約にてご発注をいただきました。

 

 

担当者からのひとこと

開発ポイントのひとつである、開発コストは市販蔵書ソフトの導入に比べ大変安価に開発でき、運用コストはこれまでのところ発生していません。また操作性についても運用上全く支障はありません。
システム自体、開発過程(テスト段階)でシステム上のトラブルに対してほぼ完全に対応をいただき、安定しており、安心して使用しています。

仕様概要

  • 受付専用パソコンを設置しバーコードリーダーを接続。職員各自が貸出処理を行なう。
  • 職員は自分のパソコンからブラウザを使って、書誌の貸出状況、自分の返却予定日の確認が可能。
  • 返却ボックスに集められた本も、貸出と同じようにバーコードリーダーを使用して返却処理実行。
  • 返却処理された本の書架番号が記載されたリストの印刷。
  • 返却予定日を過ぎても返却していない職員に対し催促メールを作成、送付。
  • データベースで管理された蔵書のバーコードラベルや貸出時に使用する職員用バーコードが載ったカード印刷機能の実装。

システム概要

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  • サーバー用PC:ファイルメーカーServer

    書誌データベース、職員データベース、貸出状況などをファイルメーカーServerで管理、定期的な自動バックアップを実行。

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    ファイルメーカーProで作成された貸出受付PC画面の一部

    貸出受付用PC:ファイルメーカーPro・Barcode Express

    バーコードリーダーが接続された貸出用PCには、ファイルメーカーProおよびBarcode Expressをインストール。ファイルメーカーで作成された専用のインターフェースが利用可能時間中は常時稼働。

  • kousei5

    各職員が自分の使用しているPCで検索する際のブラウザ画面

    Web公開用PC:ファイルメーカーPro Unlimited

    貸出・返却状況をリアルタイム反映、各職員のPCから一般的なブラウザ(Netscape NavigatorやInternet Explorerなど)を使用して閲覧。

  • kousei4

               ファイルメーカーPro で作成された管理画面の一部

    管理用PC:ファイルメーカーPro

    返却予定日を過ぎても返却を行っていない職員への催促メール一括送信や、返却の自動一括処理、書架へ戻すための返却リスト印刷、バーコードラベルの印刷等は、管理用PCで専用インターフェースにて運用。

 

バーコードリーダーで職員カードと本に貼付されたバーコードが読みとられると、「Barcode Express」がそれらのデータをファイルメーカーに渡し、貸出の履歴が作成されるようになっています。職員がカードを忘れてしまった場合のために、マウスを使って職員の検索が行えるようになっていますが、通常はキーボードやマウスを一切さわらずに、バーコードを読みとるだけですべての貸出処理が行われるようになっています。
もちろん、貸出処理が完了すると同時にその本は貸し出し中となり、LANで公開されたWebサーバ上でもその結果が自動的に反映されます。そのため、職員は借りたい本が貸し出し中かどうか、そしていつが返却予定日なのかを前もって自分のパソコンで調べることが出来るようになりました。またそれを管理する処理も運用コストをかけずに自動化することが出来ました。