国土交通省
(国土交通省 HP)
■システム再構築以前の状況(Before)
国土交通省の担当部署(※部署名、システム名は匿名にさせていただいております)においては、当該業務をスムーズに行うことによって、行政サービスの向上を図るために、平成16年から当該業務をシステム化し、本省と全国の地方局等間でオンライン化されていました。このことで、全国どこからでも最新情報をリアルタイムに把握することが可能となり、どこの地方局等でも手続きが行えるようになり、また、電子化により手続きを迅速に行うことも可能となっていました。
ただし、旧システムは、ハードウェアの耐用年数や最新の環境にできないなどの問題から、再構築が必要になっていました。大手ITベンダー、商用RDBMS による旧システムをそのまま最新の環境に対応させることは、多大なコストが見込まれたため、同じサービスレベルを、どのようにして低コストで開発できるかという点が大きな課題になっていました。
(国土交通省外観)
■キー・プランニングの提案
キー・プランニングは、MySQL、JavaServlet といったオープンソースの環境とカスタマイズ性に優れたFileMaker を組み合わせた開発の提案で上記の課題の解決を図りました。
全国の地方局等での窓口業務においては汎用性が重要であるため、Web システム部は旧システム相当の動作を再現し、本省において求められる様々な形式の分析、統計レポートの出力には、FileMaker を使うことで、エンドユーザが自分で帳票をカスタマイズできる環境を実現することができるためです。
こうしたシステム構成は、FileMaker Pro 9 でサポートされた ESS(外部SQLデータソース)機能で可能になったものですが、キー・プランニングの同種のシステム開発事例や公正取引委員会での開発事例をご覧いただいて、ご安心いただくことができました。
■開発後の状況(After)
最大のポイントであった開発コストは、当初想定された金額に比べ、大幅な削減を実現することができました。
また、従来、出力する帳票の変更は、即システムの改修につながっていましたが、本システムでは統計資料のカスタマイズは FileMaker を使ってユーザ自身でできるようになっていることから、ランニングコストを加味すれば、初期コスト以上のコストパフォーマンスを提供することができました。
旧システムの機能は、より快適な処理速度で再現された上に、分割されていた機能の統合により、操作性も向上しました。
Web ブラウザで帳票の出力を行う部分は PDF ファイルで出力されますが、申請用書類によっては罫線等複雑な書式のものが含まれています。旧システムでは高額な PDF 生成ソフトウェア製品を使って、この要件に対応していましたが、キー・プランニングでは、オープンソースのライブラリで代替しながらも、所定の書式を忠実に再現しています。
■システム構成
システム環境
データベース:
- MySQL 5.0
- FileMaker Server Advanced 10
- FileMaker Pro 10
Webアプリケーション:
- Tomcat 6.0
- JavaServlet, JSP
- 本システムは、MySQL をバックエンドにした Web アプリケーション(JavaServlet)が核をなしています。
- 全国各地にある地方局等から、Webブラウザを使って業務処理を行うことができます。
- 各種の印刷用発行物は PDFファイルとして、集計レポートのデータは CSVファイルとして、ダウンロードすることができます。
- FileMaker の ESS(外部 SQL データソース)の機能を使って、統計資料の出力は、ユーザーがカスタマイズできる機能として解放されています。